授業1980
伊東潤プロデュース授業1980
2007年4月20日ー5月6日
下北沢OFFOFFシアター
作:ウージェーヌ・イヨネスコ
翻訳:安堂信也 木村光一
監修:柄本明
提供:フランス著作権事務所
出演:麻生絵里子 綾田俊樹 伊東潤 上原奈美 柄本明 多田葉子 沖中千英乃 坂田志麻 作間ゆい 重村真智子 鈴木千秋 鈴木美紀 高尾祥子 高田恵美 竹内芳織 立石智一 血野滉修 角替和枝 ともさと衣 仲尾純子 中村小百合 中村はるな 西田清史 西村喜代子 西本竜樹 ベンガル 松元夢子 宮田早苗 山地健仁 吉川靖子
舞台監督:山地健仁
照明:上田知和(プラン日高照明)
音響:深水俊一郎(プラン囃子組)
美術:星健典
制作:圓若創
協力:(株)ノックアウト 劇団東京乾電池
「授業」は1951年パリで初演されました。1957年からは今日までセーヌ川岸にあるユシェット座にてロングラン上演されています。(上演回数はなんと15500回を越えています!)登場人物は老教授、女生徒、女中の3人。授業を受けに来た生徒は尊敬する厳格な教授の講義を受けることになるが話は次第に予期せぬ方向に展開して行きます。
わが国では昭和の名優中村伸郎氏により1972年から11年間にわたり毎週金曜日22時から渋谷ジャンジャンにて上演され続けた事でも有名です。
乾電池では2002年に柄本明により上演され、フランス・アヴィニョン演劇祭などで再演を重ねてきた本作品を今回はベンガル、綾田俊樹、西田清史、山地健仁をはじめ計9人の教授よる16通りとなる「授業」を上演しました。(全40ステージ)
ひとつの演目に対してこれだけのバリエーションをもつ今回の企画は劇団内では初の試みとなりました。作品自体は約1時間程のものですが、難しい芝居であるので少しずつ練り上げて行く挑戦がありました。



劇は生気のない無気力な老教授が若い娘に授業をしている間に言葉が言葉を生んでいきます。言葉にこだわり言葉の持つ固有の意味を微妙にずらせていくうちに言語が解体されてゆくことを作品の特徴としたイヨネスコ。言語を母音と子音で構成された音声の集合体と捉え、言葉の意味内容を二義的に置き、意味づけされた言葉は権威を剥奪されていく。そして、いつしかそれを扱っている人間の存在の孤独と危うさを描き出しました。
~喜劇的ドラマ~と副題にあるように、会話はバカバカしく滑稽であるにも関わらず、抜き差しならない事態へ向かってしまいます。言語の解体は、関係の解体。言い換えれば人間関係の解体ともいえるかも知れません。ナンセンスな状況の構築がお芝居の基盤を支えていて、それは極めて緻密に計算された作家の遊び心が生み出した傑作といえましょう。劇団では今後ともレパートリーの一つとしてこの作品を上演し続けていきたいと思っています。

作家略歴
1912年ルーマニア人の父親とフランス人の母親との間 に、ルーマニアのスラチナで生まれた。13歳までほとんど の期間をパリで過ごすが、その後ルーマニアに戻り、ブカレスト大学に入学し、そこで1928年エミール・シオラン、ミルチャ・エルアーデと出会い、3人は終生の友人となった。1936年に結婚し、同じ時期にフランス語教師の資格を取得している。1938年に博士論文を完成させるためにフランスに戻るが、1939年に勃発した第二次世界大戦のために、フランスに残ることになる。そして二度目の結婚を経た後、著述の分野で才能を発揮し始めた。
1950年に『禿の女歌手』を、1951年に『授業』を、1952年には『椅子』を発表。古典劇の規則を無視した「不条理」な作風が、発表当時は受け入れられなかった。しかし、50年代後半より脚光を浴び始め、現代演劇史に大きな足跡を残すことになった。1994年に死去。パリのモンパルナス墓地に埋葬された。
公演を振り返ってみて
「授業1980」の企画が持ち上がったのは、去年の劇団30周年公演の頃でした。お酒の席だったと思います。振り返れば一年が経ち、ふたを開ければ一つの戯曲を9組16通り40ステージやる事に。小さなところから始まり、長い時間を費やし、物凄い数の人間を巻き込みながら、助けてもらいながら、この公演を打つ事ができました。そして劇場に僕らの「授業」を観に来てくれたお客さん、本当にありがとうございました。中には2回、3回と劇場に足を運んでくれた方もいて、嬉しい限りです。
これからも劇団東京乾電池は世の為、人の為にならない芝居を続けていきます。どうぞ可愛がってやってください。そして今年の秋には「恐怖!ハト男」という作品で下北沢に帰ってきます。それではまた、劇場でお会いしましょう。
5月某日 伊東潤
![]() 授業1980表 クリックすると大きい画像でご覧頂けます。 |
出演
A = 柄本明×大多葉子×上原奈美
B = 柄本明×高尾祥子×西村喜代子
C = 柄本明×鈴木美紀×仲尾純子
D = 柄本明×重村真智子×中村小百合
E = 柄本明×沖中千英乃×竹内芳織
F = 柄本明×宮田早苗×麻生絵里子
G = ベンガル×作間ゆい×☆
H = ベンガル×吉川靖子×☆
I = 綾田俊樹×ともさと衣×鈴木千秋
J = 綾田俊樹×高尾祥子×鈴木千秋
K = 伊東潤×角替和枝×沖中千英乃
L = 血野滉修×中村はるな×麻生絵里子
M = 山地健仁×阪田志麻×仲尾純子
N = 西田清史×ともさと衣×鈴木千秋
O = 西本竜樹×高田恵美×上原奈美
P = 立石智一×松元夢子×竹内芳織
☆は角替和枝、沖中千英乃、鈴木千秋のいずれかによるものとする。









